PCオーディオについて
PCオーディオ
コンピュータの進歩は、半導体の性能の向上とともにありました。
ソフトウェアも使い勝手がよくなり、より人間に合わせた、使いやすいものへと進化しています。
過去の時代よりもパソコンで音声を扱うことが簡単になり、現在ではパソコンで音楽を聴くことは、日常化しています。
そして、性能的には、高価なオーディオ機器を凌ぐ音質を再現できるようになった、といえます。
気軽に音楽を聴く、という点では劣りますが(パソコンは汎用機械なので、音楽を聴くならやはりそのための命令を与えなければいけない手間がある)音楽を高音質で聴きたい場合、かなり手っ取り早くそれを実現できます。
用意するもの
パソコン
いまのOSが普通に動く性能があるパソコンならば大丈夫です。
Windowsの場合、組み合わせ方が悪いと雑音を拾いやすくなっている場合があると思われますので、ご注意ください。
音源
コンピュータで音楽を聴くことを日常にしたのは、音楽配信サービスの影響が大きいです。
iTunes、あるいはそれより少し前のMP3の大流行があったからこそ、オーディオ用途が一般にさらに拡大した、と言える部分があります。
インターネットで一般的にやり取りされている音源は、不可逆圧縮形式で圧縮された音源です。人間の耳に不自然にならないようにしながら、データを省いています(圧縮しないとファイルサイズが普通に10倍以上になる)
そもそも、CDフォーマットを標準としたとしても、CDという規格自体、74分という枠に収まるように人間に普通聞き取れない周波数の音域は無視して設計されています(一般的なオーケストラの交響曲が74分くらいで収まることから、光ディスクに収める時間として74分が決定された経緯がある)
CDは高音質ですが、すでに切り捨ててしまった音があるのです(しかも、音をデータ化するきめの細かさも、16ビット44.1kHzと決められている)
これが標準化したため、多くの場合、このフォーマットで音を切り取って録音し、それを再生せざるを得ないということになります(十分高音質ではありますが…)
圧縮された音源は、これをさらに細工したもので、現実と似た偽物であることに違いはありません。
その中で音質を求めるとするなら、なるべくビット数とサンプリング周波数の値が大きい音源を選んでください。
録音されている楽曲は限られてきますが、CDを超える音質を実現した(音の切り取り方がより細かい)DSDなどのデジタル音楽規格も存在しています。
USB-DAC
パソコンからデジタルな音声データをアナログに変換する専門の装置があります。
DAC(ダック)と呼ばれる装置です。
USBケーブルで接続します。
この性能が、音質の向上に大きく関わってくることになります。
性能は値段相応です。
低価格なDACを導入すると、やはり高音質化したかわからない程度の変化しか得られませんので、ご注意ください。
アンプ、スピーカー、またはヘッドホン
DACから先は、アンプ、スピーカー・ヘッドホンを接続することになります。
価格に応じて様々な種類の製品がありますが、割愛します。
ソフトウェア
PCオーディオには、ソフトがあった方がより高音質になります。
PC内部でのデータ処理の流れを、高音質を実現するために変更したり、音楽を管理(検索・ソート、プレイリストとして保存など)したりするためのソフトです。
このソフトウェアがあることにより、パソコン上での操作が楽に行えます。
Audilvanaというソフトならば、WindowsでもMacでも利用可能です。https://audirvana.com/
Audilvanaの場合、DSDやMQAとった高音質規格も再生可能になります。
MQAについてはこちら
これらを導入すると、割に低予算で高音質を再現できるようになります。
PC本体とアンプ、スピーカーを除けば、5〜6万円程度で高音質化が可能です。
何をしようとしているか
なぜDACを使ったり、専用ソフトを使ったりするかというと、オーディオフォーマットを忠実に再現するためです。
パソコンでそのまま処理してしまうと再現ができない情報を、DAC等を使えば再現できるようになります。
これらはデータを、それに見合った方法で、忠実に再現する、ただそのための装置に過ぎませんが、これだけを極めようとしているからこそ、より高音質が実現できるということでもあります。
普及したフォーマットとは方式が違うので、それ以外の方式を再現するためにはそれに適合した装置を用意する必要がある、ということになります。
逆を言えば、機器を追加さえすれば、比べ物にならないほどのレベルの良質な音が手に入る、ということでもあります。
デジタル時代の安価かつ究極のオーディオ機器はPCオーディオか?
結局のところ、オーディオは生の演奏を収録したデータを再現するための装置です。
デジタル化で音源はより管理しやすく扱いやすいものになりました。
デジタルデータを扱うことについてはやはりパソコンに敵うものはありません。
傾向として、デジタル化による高音質が目指しているのは、デジタル化したことで失われた音質を補正するための進化、というように見えます。
この進歩が技術的に進んでいけば、音楽をさらに手軽に低予算で楽しむことが可能になる、と期待されます。
音楽が好きな人にとっては、ちょっとの投資で人生をさらに豊かにしてくれることでしょう。